お酒にはいろいろな種類があり、その造り方もお酒の種類ごとに異なります。
が、とても単純にいってしまえば、
お酒とは、、、
原料の中の糖質やデンプン質が
「酵母」によって発酵されてアルコールになったもの
です。
日本酒だけでなく、ワインもビールもウイスキーもテキーラも、すべてのお酒は酵母のおかげで造り出されています。
つまり酵母の存在がなければ、私たちはお酒を飲むことも出来ないのです。
そう考えると、すごくないですか?
酵母の存在も、そして酵母の力に気づいた人類も!
「酵母」って、いったい何者なのでしょうか?
酵母は10μmほどの微生物
ちょっとつまらない話になるかもしれませんが、、、まず、ここは押さえておきましょう。
酵母は大きさが10μmくらいの微生物です。10μm=0.01mmで、もちろん目には見えません。キノコなどと同じ「菌界(菌類)」に属していて、単細胞性の菌類になります。
細胞内に核を持った真核生物であり、光合成の能力はありません。外から”エサ(有機物)”を取り込み、それを分解して栄養を摂取しエネルギーに変えていっています。
酵母はお酒以外にも、さまざまな発酵食品を作るために利用されています。パン、チーズ、味噌、醤油などを作る際にも酵母の存在は必要不可欠です。まさに人間の生活になくてはならない微生物と言えるでしょう。
酵母にはたくさんの種類がありますが、人間が利用している酵母はほんのわずかです。英語ではサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)と言います。
酵母は糖分をエサとしてアルコールを生み出す
人間は食事によって栄養を摂取するとエネルギーを生み出し、そのエネルギーを使って活動しています。酵母も同じで、砂糖やブドウ糖を”エサ”としてそこから活動のエネルギーを得ています。
ただその過程でつくり出されるものが、人間と酵母では全然違います。
人間はデンプン(炭水化物)を摂取すると、体内でまずブドウ糖にします。そしてそれを分解してエネルギーを生み出すとともに、最終的に水と二酸化炭素にして体の外へ放出します。
それに対して酵母は、砂糖やブドウ糖などの糖分を”エサ”として摂取するとエネルギーを生み出すとともに、最終的にエタノールと二酸化炭素に分解するのです。このエタノールを私たちはお酒としてありがたく飲んでいます。
人間を含む動物はデンプン(炭水化物)を水と二酸化酸素に分解するだけ(?)なのに、酵母はエタノールと二酸化炭素に分解するのです。面白いですね。
お酒ごとに利用される酵母の種類はいろいろ
お酒の種類によって利用される酵母の種類は違います。
日本酒(清酒)を造るためには清酒酵母を利用します。ビールにはビール酵母、ワインにはワイン酵母を利用します。これらの酵母の違いはごくわずかなのですが、それぞれに専用の酵母でなくてはいけません。
(ただワイン酵母を利用して造られた日本酒っていうのもありますよ。「仙禽(せんきん)」「鳳凰美田(ほうおうびでん)」「越後鶴亀(えちごつるかめ)」など、結構いろいろ出ています。)
そして同じ清酒酵母でも、その中にたくさんの種類があります。「6号酵母」や「7号酵母」などと名前がつけられていて、利用する酵母によって出来上がった日本酒の味や香りも違ってきます。
どの酵母を利用して造られたお酒なのかは、日本酒のラベルにも書かれています(書いてないこともありますが)。日本酒を飲むときには、そのラベルも注意して飲み比べると面白いかもしれません。
清酒酵母について詳しいことは、また後日書きます。かなり奥の深い世界かと思います。
人間に有益なら「発酵」、そうでないなら「腐敗」
酵母の活躍によって行われる「発酵」。ただ発酵と紙一重の関係にあるのが「腐敗」です。どちらも酵母が働くことで行われるものなのですが、どう違うのでしょうか。
酵母は有機物を”エサ”として取り込み、それを分解してエネルギーを得ています。分解によってアルコールのような人間に有益なものが生み出された場合には、この過程を「発酵」と呼びます。
しかし場合によってはアンモニアなど、人間にとって有益でないものが生成されてしまうこともあります。このような場合には、この過程は「腐敗」と呼ばれるのです。
つまり「発酵」が「腐敗」かは人間の都合により決まります。
酵母にとっては勝手に決められていい迷惑かもしれませんが、美味しいお酒のためにもいっぱい活躍して「発酵」をして欲しいですね。