『精米機』って、持ってますか?
食事の時に食べるお米は、精米してすぐの方が断然美味しいと言われます。
家庭用の精米機もいろいろ販売されていて、家電量販店で見かけるとつい欲しいなと思ってしまいます。
まぁ、我が家で精米機を買うことはないと思いますが、お米を買うときにはなるべく精米してから時間の経っていないものにしようと精米日を見たりはしています。
だから、精米したお米はなるべく早く使うのが当たり前なんだと思っていました。
それが、、、日本酒を造る工程で行われる精米では違うんですね。精米されたお米はしばらく休ませて、それから酒造りの次の工程である洗米に移ります。
この、お米をしばらく休ませてあげることを「枯らし」と言います。酒造りではどうして「枯らし」をするのでしょうか?コレ、酒造りにおける大切な工程の一つなんです。どの工程も大切だとは思うけど、、、
精米後に2-3週間置く「枯らし」
普段の食事のお米とは違い、酒造りのためのお米には精米の工程にとても時間がかかります。食事のお米の精米歩合は95-90%なのに対して、酒造りのためのお米は60%、50%、40%とかなり磨いています。
精米歩合のことは、コチラにも書きました。
日本酒のラベルに書かれた「精米歩合」、知っておくと役に立つかも - 酒猫ブログ(「酒と猫の日々」改め)
精米をして米粒が小さくなればなるほど、お米は割れやすくなっていきます。そのため機械の回転速度を落としてゆっくりと精米していかなくてはいけません。
60%精米するのに約22時間、50%には約45時間、40%だと約70時間もかかってしまいます。40%まで磨くには、3日間もかかるんです!
それだけずっと摩擦を受けているとお米は熱を持ってしまい、水分も奪われてしまっています。このまま洗米をしてしまうとお米が割れやすくなりますし、吸水にムラが出てしまったりしてうまくいきません。
酒造りの工程で、お米にどれだけ吸水させるかはとても重要です。よく磨かれたお米ほど吸水しやすく、そのためお米を水に浸けるときにはストップウォッチ片手に秒単位で管理したりするほどです。
そこまで慎重に行うのに、精米後すぐに水に浸けて洗米してしまったら、お米は割れやすいし吸水のムラはあるしでせっかくの繊細な作業が台無しになってしまいます。
割れたお米や吸水し過ぎたお米を蒸米にするとべたついてしまい、その後の酒造りにも影響が出てきます。このような蒸米は良くありません。
だから精米した後の「枯らし」の工程は大切なんです。「枯らし」とは精米後に2-3週間くらい冷暗所に保管する工程を言います。
冷暗所で一定期間保管することで、お米の熱は下がってきます。お米の中の水分量も均一になって次の「吸水」の管理もしやすくなります。そうしてより良いお酒を造れるようになるのです。
酒造りのコツは焦らないこと!?「枯らし」は他にもあり
酒造りの際に「枯らし」と呼ばれる工程は他にも2つあるそうです。
それは、、、
- 麹が完成した後、仕込みに使うまで1日ほど置くこと
- 酒母が完成した後、仕込みに使うまでにしばらく置くこと
酒造りに焦りは禁物ということでしょうか。出来上がったものをすぐには使わず、しばらく置いて落ち着いてから次の工程へ進むようです。
長年の知恵で、しばらく寝かしてから使ったほうが良い日本酒ができるようだと気づいたんですかね。。。
私も焦らずに生きたいと常々思っているんですが、、、あ、行動に移すまでに時間がかかるタイプなので、もう少し焦ったほうが良いのかもしれません ><
というわけで、読んでいただきありがとうございました。
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