酒猫ブログ(「酒と猫の日々」改め)

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日本酒のラベルに書かれた「精米歩合」、知っておくと役に立つかも

たまに日本酒を飲む方なら、瓶のラベルに「精米歩合」と書かれているのを目にしたことがあるでしょう。

 

今更「精米歩合」の説明なんて必要ないという方も多いかと思いますが、これから日本酒も飲んでみようかなという方にとっては、コレ、謎のワードじゃないですか。(私は日本酒を飲み始めた頃、この言葉の意味がよくわかってませんでした。)

 

そして初心者さんにとっては、この「精米歩合」の意味を理解するだけでだいぶ日本酒の世界が広がるんじゃないかと思います。

 

今日は「精米歩合」という言葉について、そしてなぜお米を磨く必要があるのかなど書いていきましょう。

 

「精米歩合」とは、どれだけお米を磨いたか

「精米歩合(せいまいぶあい)」とは、簡単に言ってしまえが「日本酒を造るために、どれだけ原料の玄米を磨いたか」という数値です。

 

日本酒はお米から造られますが、その作業工程の一番最初は、まず玄米を精米することです。食事用のお米も玄米を精米して白米にしてから使いますが、お酒を造るときにも同じことです。

 

そして日本酒の世界では、精米することを「お米を磨く」と言います。

この言葉、なんか好きなんですよね。

 

精米歩合とは、原料の玄米の重さに対しての磨いた後の白米の重さの割合です。

一応、計算式としては、、、

 

精米後の白米の重さ ✖️  100 = 精米歩合(%)

  玄米の重さ

となります。

 

つまり「精米歩合60%」と書いてあるお酒の場合には、「玄米の外側の部分を40%磨いて、残った60%の白米を使って造った日本酒」ということです。

 

精米歩合の数値が小さくなるほど磨かれる部分は多くなり、残った白米の量は少なくなります。大吟醸酒なんて精米歩合が30%台のことがよくあります。その場合、玄米の70%近くは削り取られてしまっているわけです。

 

なんかもったいない、、、と、つい思ってしまいますが。。。大吟醸酒が高価なのも納得できますよね。あ、削り取られた糠などはその後飼料になったりして、再利用されているそうです。

 

「大吟醸酒」「吟醸酒」などと名乗るためには、精米歩合の規定もあります。「大吟醸酒」は精米歩合50%以下、「吟醸酒」は60%以下でなくてはいけません。「本醸造酒」は70%以下と決められています。

 

これら特定名称酒の定義についてはコチラに書いたことがあります。

特定名称酒と普通酒。。。その違いとは? - 酒猫ブログ(「酒と猫の日々」改め)

 良かったら覗いてください。

 

 

普段、普通に食事で食べているお米は、精米歩合90-95%くらいです。この数値と日本酒造りに使われるお米とを比べると、日本酒を造る際にはかなりお米を磨いていることがよくわかります。

 

酒蔵見学に行ったりすると、磨いたお米を見せていただくことがあります。白くて、お米の形はしていない丸っこいモノで、それだけ見たらお米とは気づかないかもしれません。

 

一般的にはこの「精米歩合」という言葉が使われますが、一部の日本酒では「精白率」と書かれていることもあります。精白率とは、玄米を磨いて削り取った外側の部分の割合です。精白率40%となっている場合には精米歩合60%と同じ意味になります。

 

 

 

なぜお米を磨くのか?

食事用のお米に比べると、日本酒を造るときにはずいぶんたくさん磨きますよね。どうしてこんなにも磨くのでしょうか。

 

玄米の外側の部分には、たんぱく質や脂質が多く含まれています。このタンパク質や脂質は、日本酒の雑味の原因になるとされているのです。そのため蔵人はお米を磨き、必要のないタンパク質や脂質の部分を削り取ってから仕込みを始めます。

 

たくさん磨いてタンパク質や脂質がより少なくなった方が、雑味の少ないスッキリとしたお酒になります。逆に複雑な旨味のあるお酒にするために、磨き過ぎないようにすることもあります。

 

またお米に含まれる脂質は、フルーティで華やかな香りの成分を抑えます。脂質が多く残ったお米で仕込むとフルーティーで華やかな香りは出にくく、米本来の香りのお酒になります。脂質が少なくなるほど、華やかな香りのお酒になります。

 

つまり精米歩合の低いより磨いたお米で仕込むと、華やかな香りで雑味の少ないスッキリとした味わいのお酒になります。逆に精米歩合の高いあまり磨いていないお米で仕込むと、米本来の香りが感じられる複雑で豊かな味わいのお酒になります。

  

蔵人はどんなタイプのお酒を造りたいかを思い浮かべ、その目標の酒質にするために精米歩合を調節したりするのです。場合によっては麹用と仕込み用のお米の精米歩合を変えて造ることもあるそうです。 

 

精米歩合の低いお酒の方が金額的には高価になりますが、だからと言って精米歩合が低いお酒の方が高いものよりも必ずしも美味しいお酒だというわけではありません。それぞれのお酒に特徴があって、どんなタイプのお酒が好きなのかは人ぞれぞれなのです。

 

 

精米はゆっくり丁寧に!

精米歩合50%の日本酒とかって、まぁ結構見かけますが、、、玄米を目標とする状態に精米するのも簡単じゃないんです。

 

お米は磨けば磨くほど割れやすくなってしまいます。だから一気に磨くことはできなくて、ゆっくり丁寧に磨いていかないといけないのです。

 

  • 精米歩合70%:約11時間
  • 精米歩合60%:約22時間
  • 精米歩合50%:約45時間
  • 精米歩合40%:約70時間

精米機の性能などによっても違うようですが、50%に磨くだけでも2日近くかかるのです。精米ができて、やっと仕込みが始まります。

 

日本酒造りって、、、大変な作業ですね。

ただし、全ての酒蔵が自家精米をしているというわけではありません。

 

 

 

 

お酒によって精米歩合はいろいろですが、中には8.5%(田中酒造場 亀の甲 寿亀 神韻 ¥10500)や8%(来福 純米大吟醸超精米 ¥11999)というものもあるそうです。

 

そして、、、ついに精米歩合1%というお酒も出ました!(2017年発売)

 

それが楯の川酒造の「純米大吟醸 光明」です。

その価格のなんと、4号瓶で10万円です!!ハァ〜(ため息^^;)

 

精米歩合が1%って、お米のほとんどの部分を削っているってことですよね!?てか、一粒のお米から精米歩合1%のお米が2つか3つとか作れないかな??

 

10万円のお酒、飲みたいかって聞かれたらあえて私はまだいいかも。。。

 

 

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