日本酒を造るために欠かせない酵母。
一口に「酵母」と言ってもその種類は多く、どの酵母を使うかによって出来上がった日本酒の味や香りは違ってきます。
酵母にはいろいろな種類があることはこちらのブログにも書きました。
協会系酵母以外にも、都道府県で開発された酵母もあります。
これらの酵母は、一般的には日本酒のもろみから分離されています。美味しい日本酒を醸してくれる酵母を見つけるために、美味しいとされる日本酒のもろみを使って、その中から優れた酵母を分離培養していったのです。
それらの酵母とは全く違う、自然界に咲いている花々から分離した「花酵母」を使って造られた日本酒もあるのをご存知ですか。
花から分離された「花酵母」を使って醸した日本酒、、、って、なんかロマンチックですよね。ナデシコやシャクナゲなどさまざまな花から花酵母は分離されているんですよ。
さまざまな花から分離された「花酵母」
「 花酵母」は、東京農業大学名誉教授中田久保氏が世界で初めて分離に成功させました。
最初はナデシコの花酵母の研究から始まり、その後さまざまな花からも分離することに成功しています。現在は40種類を超える花酵母が見つかっていて、そのうち実用化されているのは16種類ほどだそうです。
「東京農大花酵母研究会」によると、花酵母には次のようなものがあります。それぞれの花酵母により醸される日本酒の特徴とともに、花言葉も紹介します。
ナデシコ
洋ナシを思わせるフルーティな香りの中に、バランス良くふくよかな味わいを醸す。
花言葉:いつも愛して、純粋な愛
ベコニア
フルーティな香りとしっかりとした味わいが特徴のお酒。
花言葉:愛の告白
ツルバラ
リンゴや洋ナシを思わせる香りであり、口に入れると力強さを感じさせるお酒。
花言葉:愛、いつも美しい
アベリア
果実酒のように甘くフルーティな香りとバランスの良い味わいのお酒。飲んだ後にキレを感じさせる。
花言葉:謙譲、謙虚、強運
シャクナゲ
バナナのように甘くフルーティな香りとしっかりした味わいのお酒。
花言葉:威厳、荘厳
日々草
しっかりとした味わいがありながらスベリが良く、飲み飽きしないお酒。
花言葉:友情、楽しい思い出
カーネーション
柔らかな香味と爽やかさを感じさせるお酒。
花言葉:母の愛情
ヒマワリ
フレッシュな果実を思わせるような香り。爽やかで清涼感のあるタイプのお酒。
花言葉:憧れ、あなただけを見つめる
コスモス
今までにない香味がある。さらにリンゴ酸のキレが加わることで、調和を感じさせるお酒になる。
花言葉:調和、乙女の純真
この他にも、東京農大花酵母研究会のサイトにはさまざまな花酵母について書かれています。
(花言葉はここにあげたもの以外にもいろいろとあります。また花の色によっても花言葉は違ってきます。)
花言葉を調べて、その花の生花の花束と、その花の花酵母で造られた日本酒をセットでプレゼントするって、どうですか?
ちょっとキザ過ぎて引く??
日本酒好きに対してだったらいいんじゃない?
まぁ、人によるか。。。私はうれしいけどね^0^
バレンタインとかホワイトデーとかに、そういう企画があったら面白いと思いませんか。できればその日本酒に合うチョコもセットで。
あ、ただ花を贈るときには、花の色によって花言葉は全く逆の意味になることもあるので気をつけておいてくださいね。
花酵母を使っている酒蔵
実際に花酵母を使って日本酒を造っている酒蔵をいくつか紹介します。
- 奥の松酒造(福島県)
- 来福酒造(茨城県)
- 原田酒造場(岐阜県)
- 武の井酒造(山梨県)
- 大洋酒造(新潟県)
- 李白酒造(島根県)
- 天吹酒造(佐賀県) など
他にも花酵母を使っている酒蔵はたくさんあります。
この中の大洋酒造さんでは最近、新皇后陛下雅子さまの「お印」の「ハマナス」の花酵母を使った日本酒を販売しました。(現在はもう終売です)
大洋酒造さんは雅子さまの原籍と同じ新潟県村上市にあり、ここは以前から「小和田家ゆかりの地」として知られていました。そんな縁で今回は雅子さまの「お印」であり、村上市の「市の花」でもある「ハマナス」の花酵母を使った日本酒を醸されたそうです。
上皇后美智子さまが皇太子妃時代にイギリスから贈られた「プリンセス・ミチコ」というバラから分離した花酵母を使った日本酒もあるそうです。こちらはクラウドファンディングによる企画です。出来上がった日本酒は支援者への特典限定、市販はされないようです。
花酵母の日本酒は、花言葉とともに想いを伝えたいときの贈り物にピッタリかもしれませんね。
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