酒猫ブログ(「酒と猫の日々」改め)

日本酒と猫、そして時々は横浜情報を織り交ぜつつ。。。

清酒酵母、その発見の歴史とは?

先日、私たちがお酒を飲めるのは酵母のおかげだという話をしました。

原料(果実や穀類など)の中にある糖質やデンプン質を酵母が発酵してくれて、その結果アルコールが生まれます。

 

www.sake-neko.work

 

ワインではワイン酵母、ビールではビール酵母が活躍して美味しいお酒を造ってくれるのですが、日本酒(清酒)では清酒酵母ががんばってくれています。

 

その清酒酵母にも種類がいろいろとあります。

今日は清酒酵母についてお話しします。

 

明治時代、「清酒酵母」の存在が初めて発見された!

西洋で「酵母」の存在が科学的にわかってきたのは19世紀に入ってからのことです。それ以前から「何か」があるとは考えられていましたが、その存在がハッキリとは確認できていませんでした。

 

その後、1893年(明治26年)に日本人の学者が日本酒の醪の中から清酒酵母の存在を確認します。そして1904年(明治37年)には、大蔵省の管轄下に国立醸造試験場(現在の独立行政法人酒類総合研究所)が設立されます。

 

それ以前の、昔ながらの酒造りでは醸造についてわかっていないことも多く、美味しいお酒ができてもそれと同じものをまた造るということはなかなか難しいことでした。

 

お酒を造るには自分の蔵に住みついている酵母が頼りで、その酵母が自然に美味しいお酒を醸してくれるのを待つしかなかったのです。蔵によって棲みついている酵母は違いますから、同じ杜氏さんが造っても蔵が違えば味や香りは違っていました。

 

そこで国立醸造試験所は、安定した酒税を確保するためにもいろいろな研究を重ねました。全国各地の美味しい日本酒を造っている酒蔵へ行き、その酒蔵の醪からより良い清酒酵母を見つけ出そうとしたのです。

 

そうして見つけた清酒酵母を分離し、優れた清酒酵母を他の酒蔵でも使えるようにと配るようになります。最初は限定的に配っていただけなのですが、やがて全国の酒蔵へと配られるようになっていきます。

 

(この国立醸造試験所は「山廃酛」の開発や「速醸酛」を考え出した研究所でもあります。山廃酛や速醸酛というのは酒母造りの製法で、これらの製法はその当時かなり画期的だったのではないかと思います。それぞれについて詳しくはいずれ書きますが、この製法が開発されたことで日本酒造りにかかる手間がずいぶん変化したでしょう。)

 

 

日本醸造協会が協会系酵母に販売を開始

1906年(明治39年)、日本の醸造業を発展させていくために日本醸造協会(この当時は「醸造協会」)が設立されました。そして日本酒の鑑評会などで評判の良かった酒蔵の酵母を採取すると、それを培養して全国の酒蔵へ販売するようになっていったのです。

 

これらの酵母は「きょうかい1号」「きょうかい2号」「きょうかい3号」など番号で呼ばれるようになります。ちなみに「きょうかい」はひらがななのだそうです。

 

日本醸造協会が販売している清酒酵母は「協会系酵母」と呼ばれます。現在でも優れた清酒酵母が新たに発見されていて、それを純粋培養したものが全国の酒蔵へと販売されています。

 

ただ戦前に販売されていた「きょうかい1号」から「5号」は、もう販売されていません。

 

酵母は日本酒の味や香りに大きく影響!

酵母は発酵によってアルコールを生み出すとき、酸や香味成分も一緒に作り出しています。この酸や香味成分が、日本酒の味わいや香りに大きな影響を与えています。

 

使う酵母が違うと、作り出される酸や香味成分も少しずつ異なってきます。ですから酵母が違うだけで、出来上がった日本酒は全然違う味や香りになってしまいます。

 

このようなことから、日本酒造りにとって酵母がとても重要な存在であることがだんだんとわかってきました。そして日本醸造協会だけでなく各都道府県などでも独自に新しい酵母を開発しようという動きが広まっています。

 

現在は協会系酵母の他にも、各都道府県が開発した酵母がいろいろと販売されています。それらはそれぞれに異なる特徴を持った酵母です。

 

酵母の種類などについては、また後日、詳しく書きます。

 

「家つき(蔵つき)酵母」の現在は?

昔の酒造りは、蔵に棲みついている「家つき(蔵つき)酵母」が頼りでした。

 

昔の酒造りの道具はほとんど木製で、そのために完全に殺菌することはできません。いくら洗浄しても蔵の天井や梁、酒造りの道具などに必ず酵母は残っていて、その酵母が蔵独自の味わいと香りの日本酒を醸してくれました。

 

家つき酵母は、まるで神様のような存在だったのです。

 

しかし現在では酒造りの道具は金属製が多くなり、殺菌しやすくなっています。その年の日本酒の仕込みが終わると、酒造りの道具や蔵全体はきちんと洗浄・殺菌されて次の仕込みの時期に備えられます。

 

そして次のシーズンの仕込みには、日本醸造協会などから新たに購入した優れた酵母が使われます。

 

昔のように「家つき酵母」を使って酒造りをすることは今はもうあまりないようです。しかし今でも、家つき酵母はがんばっています。最近は、蔵の個性を打ち出そうと蔵独自の酵母を培養しているという蔵もあるそうなのです。

 

昔は神様とまで言われた家つき酵母ですから、消滅してしまったりしないで(そんなことはまずないと思いますが)、これから先も末長く生き続けて欲しいですね。

 

 

 

あと10分くらいで平成が終わります。

令和はどんな年にしたいですか?どんな年になりそうですか?

私はこのブログをもっとちゃんと(”ちゃんと”ってなに?)させていきます!

全ての人が、今そこにある幸せを感じていけるようになりますように。。。

 

これからもこのブログをよろしくお願いします(^^)

  

 

 

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